全国大会廃止に物申す!アスレティックトレーナーが語る本当の問題とは?

全国大会廃止に反対する理由:アスレティックトレーナーの視点から

昨今、特に話題となっているのが、小学生の全国大会の廃止に関する議論です。さまざまなニュースや報道で、「勝利至上主義」による弊害が取り沙汰されていますが、アスレティックトレーナーとしてこの問題をどのように捉えるべきかを考える必要があります。

「勝利至上主義」とは?

「勝利至上主義」という言葉は、どこか悪い印象を与えるものです。しかし、その意味をしっかり理解することが重要です。辞典では「勝利至上主義」とは、スポーツ競技において相手に勝つことを絶対的な目標とする考え方、とされています。中学校や高校の部活動では、過剰な指導や長時間練習、生徒への影響、さらには暴力や体罰などが問題視されていることも事実です。

しかし、小学生が自発的に「勝利至上主義」に染まるとは考えにくいです。むしろ、勝利を強く意識させているのは、子どもを取り巻く大人たちです。保護者や指導者が勝つことを重視しすぎることで、結果として子どもたちに過度のプレッシャーがかかり、問題が発生しているのです。

全国大会廃止は最善の策か?

全国大会の廃止を決定した競技団体は、この問題に対応するための手段として大会そのものを無くすことを選びました。しかし、大会の廃止が本当に最善の策なのでしょうか。もっと効率的で根本的な改善策が他にあったのではないかと感じます。大会運営や指導方法の改善に焦点を当て、子どもたちがプレッシャーなく成長できる環境を整えることこそが、より持続可能な解決策です。

勝利へのプロセスが成長のカギ

最も重要なのは、勝つことそのものが目的ではなく、勝利を目指す過程において子どもたちが成長することです。スポーツを通じて得られる経験や学びは、将来の自己形成に大きく寄与します。このプロセスをしっかりと支えるのが、私たちアスレティックトレーナーの使命です。専門的な知識とスキルを活かし、子どもたちが安心して成長できる環境を提供することが求められています。

アスレティックトレーナーの役割と全国大会の存続

全国大会が持つ価値は、競技を通じた挑戦と成長の場であることにあります。大会が廃止されてしまえば、子どもたちが得る機会も減ってしまうでしょう。だからこそ、私たちアスレティックトレーナーが、スポーツ現場に積極的に関わり、指導者や保護者と連携して子どもたちの健全な成長をサポートすることが重要です。

まとめ

全国大会そのものは、勝利至上主義の問題を解決するために廃止するのではなく、プロセスを改善する方向で進めるべきです。私たちアスレティックトレーナーが現場に密着し、子どもたちがより健全に成長できる環境を整えることで、勝利だけではないスポーツの価値を伝える役割を果たせるのです。

理学療法士・アスレティックトレーナーとして、スポーツ現場での専門知識を活かし、子どもたちにとって良い未来を作る手助けをしていきましょう。

関連サイト

公益社団法人日本理学療法士協会 国民の皆さま向けトップ

公益社団法人 日本理学療法士協会の公式サイトです。協会に関する様々な情報をご紹介します。

JSPO 日本スポーツ協会

わが国におけるスポーツ統括団体「JSPO(日本スポーツ協会)」の公式サイト。国民体育大会や日本スポーツマスターズの開催、スポーツ少年団の運営など。

公益財団法人日本パラスポーツ協会(JPSA)

日本パラスポーツ協会(JPSA)は、国内における三障がいすべてのスポーツ振興を統括する組織で、障がい者スポーツ大会の開催や奨励、障がい者スポーツ指導者の育成、障がい者のスポーツに関する相談や指導、普及啓発などを行っています。