発達障害の兆候を見逃さない!理学療法士が実践するべき職場対応ガイド

理学療法士として働く中で感じた発達障害の可能性とその対応策

理学療法士として日々の業務に取り組んでいる中で、職場の同僚や自身の行動に関して疑問や違和感を覚えたことはありませんか?私自身、過去の職場での経験を通じて、発達障害の可能性を感じたことがあります。この記事では、その実例を基に、理学療法士として働く中での発達障害の特徴と対応策について考えてみたいと思います。

実例紹介:日常業務における発達障害の可能性

まず、私が経験した実例を紹介します。

  1. 一年中厚手のカーディガンを着続けている同僚
  • この同僚は、どんな季節であっても必ず厚手のカーディガンを着ていました。これは感覚処理の違いによるものかもしれません。自閉スペクトラム症(ASD)を持つ人は、特定の素材や感触に対して強いこだわりを持つことがあり、それが安心感を与えるために着続けることがあるのです。
  1. 毎日12時から12時20分の業務が忙しい時間に個室トイレに閉じこもる
  • 業務が最も忙しい時間帯に、毎日決まってトイレに閉じこもる同僚がいました。これは、ストレスや不安に対処するための行動かもしれません。自閉スペクトラム症の方にとって、決まったルーティンや時間通りの行動が安心感をもたらすことがあります。
  1. 上司とのコミュニケーション不良で大量離職
  • ある上司のもとで、多くのスタッフが次々と離職していく現象がありました。原因はコミュニケーションの不良にありましたが、これは上司が社会的な手がかりを理解するのが難しく、適切な指示やフィードバックができなかったためです。これもASDに関連することが考えられます。
  1. リハビリ介入中に集中力が欠ける
  • リハビリセッション中に注意が散漫になり、キョロキョロしている同僚がいました。これは注意欠如・多動症(ADHD)に関連している可能性があります。環境の中で集中するのが難しく、外部の刺激に注意が向いてしまうことがあるのです。
  1. 会議中に頻繁に寝ている
  • 会議中に頻繁に眠ってしまう職員がいました。このような行動は、睡眠障害や過度の疲労、またはADHDに関連する注意力の問題が原因である可能性があります。会議の内容に集中できず、眠気に勝てない場合があります。
  1. 突然怒り出す
  • 感情のコントロールが難しいのか、突然怒り出す同僚がいました。これはASDやADHDの特徴で、感情の調整がうまくいかず、特にストレスがかかるときにこのような行動が現れることがあります。
  1. 嫌いな人には挨拶もしない
  • 自閉スペクトラム症の人にとって、社会的なルールや礼儀を理解するのが難しいことがあります。特に、嫌いな相手に対しては無視したり、挨拶をしないといった行動が見られました。
  1. 特定の分野に対する深い知識
  • ある同僚は、特定のリハビリ分野に対して異常なほど深い知識を持っていました。これは「特異的な興味」として知られ、ASDの人に見られることがあります。
  1. 書類作成に対する強いこだわり
  • 書類作成に対して非常に強いこだわりを持ち、他の同僚にもその基準を押し付ける人がいました。これもASDの特徴であり、細部にこだわることが多いのです。

対応策と職場での配慮

これらの経験から、職場で発達障害の可能性を感じた場合には、いくつかの対応策が考えられます。

  1. 環境の整備:感覚過敏に対応するために、職場環境を調整することが重要です。例えば、照明や音の管理、快適な温度設定などが考えられます。
  2. ルーティンの尊重:特定のルーティンが必要な場合、その行動を尊重し、可能な限り業務に影響を与えないように配慮することが大切です。
  3. コミュニケーションの工夫:コミュニケーションに課題がある場合、視覚的な手がかりや明確な指示を提供することで、誤解を防ぐことができます。
  4. 感情のコントロールを支援:ストレスを軽減するためのサポートや、感情のコントロールを助けるためのトレーニングが有効です。
  5. 社会的スキルの向上:必要に応じて、社会的スキルを学ぶための支援を提供することが考えられます。
  6. 睡眠管理と疲労対策:会議中に眠ってしまう職員への対策としては、睡眠の質を向上させるためのアドバイスや、会議の時間帯や内容の工夫が必要かもしれません。また、日々の業務量の見直しやストレス管理も重要です。

まとめ

理学療法士として働く中で、発達障害の可能性を感じることは珍しいことではありません。しかし、その行動や特性を理解し、適切に対応することで、職場全体の環境をより良いものにすることができます。もし、あなたの周りにも同じような状況があれば、この記事が少しでも役立つことを願っています。

このように、発達障害の可能性がある場合には、早期に気付き、適切な対応を取ることが、職場全体の円滑な運営に繋がります。あなたの職場でも、このような配慮を意識してみてはいかがでしょうか?


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関連サイト

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公益社団法人 日本理学療法士協会の公式サイトです。協会に関する様々な情報をご紹介します。

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わが国におけるスポーツ統括団体「JSPO(日本スポーツ協会)」の公式サイト。国民体育大会や日本スポーツマスターズの開催、スポーツ少年団の運営など。

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