女性の体力低下が深刻!理学療法士が教える30代・40代から始める運動習慣改善法

30代・40代女性の体力低下にどう対応するか:理学療法士・アスレティックトレーナーが果たすべき役割

2023年度の体力・運動能力調査の結果がスポーツ庁から発表され、30代と40代女性の体力が過去25年間で最低水準に達していることが明らかになりました。この年代の女性における体力低下の要因には、運動頻度の低さが大きく影響しており、週1日以上運動をしている女性の割合は、30代で約3割、40代で約4割と非常に低い結果となっています。この問題に対処するために、理学療法士やアスレティックトレーナーは、重要な役割を果たすことが期待されています。

2023年度調査結果のポイント

この調査は、2023年5月から10月にかけて、6歳から79歳までの男女約5万9千人を対象に行われました。握力や上体起こしなどの項目に基づいて体力を点数化し、20代以上は6〜7項目を基に評価されました。調査の結果、30代後半の男性は過去最高の成績を記録した一方で、30代後半および40代後半の女性は過去2番目に低い点数を示しました。

運動頻度の低さが主な要因

30代・40代女性の体力低下の背後には、運動頻度の低さが大きな要因として挙げられます。調査によると、週1回以上運動をしていると答えた30代女性は約3割、40代女性は約4割であり、スポーツ基本計画(2022〜2026年度)で掲げられている「成人の週1回以上のスポーツ実施率70%」の目標には遠く及んでいません。この年代の女性は、仕事や家事、育児などの負担が重なり、運動する時間を確保することが難しい状況にあるとされています。

理学療法士・アスレティックトレーナーが果たす役割

この体力低下の問題に対して、理学療法士やアスレティックトレーナーは、専門知識を活かして効果的なアプローチを提供できる存在です。具体的には、以下の取り組みが考えられます。

  1. 柔軟な運動プログラムの提供
    限られた時間や体力の中でも取り組みやすい運動プログラムを提供することで、運動習慣を身につけやすくします。自宅でできる簡単なエクササイズや短時間でできるストレッチなど、無理なく続けられるプランを提案しましょう。
  2. 地域や企業との連携
    地域や企業と協力して、運動をしやすい環境を整備することも重要です。スポーツ庁は、足立区の図書館にバランスボールを設置して体験会を開くなど、読書とスポーツを融合させたユニークな取り組みを進めています。このように、無関心層にもアプローチできる機会を作ることが有効です。
  3. 健康教育の推進
    多くの人が運動不足の健康リスクに気づいていない場合があります。定期的な運動の重要性を啓発するワークショップやカウンセリングを通じて、体力維持の必要性を広めることができます。
  4. デジタルツールの活用
    オンラインのフィットネスクラスやスマホアプリ、ウェアラブルデバイスを活用することで、運動をもっと身近にすることが可能です。デジタルコンテンツを通じて、パーソナライズされた運動アドバイスやプログラムを提供することで、より多くの人にアプローチできます。

結論

30代・40代女性の体力低下は、今後の健康に大きな影響を及ぼしかねない深刻な問題です。しかし、理学療法士やアスレティックトレーナーが専門知識を活かして適切なサポートを提供することで、この流れを変えることができます。時間に制約がある女性でも無理なく取り組める運動プランを提供し、運動の重要性を広めることが、彼女たちの健康増進に繋がる第一歩です。

私たちの手で、もっと多くの女性が運動を生活に取り入れ、健康でアクティブな生活を送れるようサポートしていきましょう。

関連サイト

公益社団法人日本理学療法士協会 国民の皆さま向けトップ

公益社団法人 日本理学療法士協会の公式サイトです。協会に関する様々な情報をご紹介します。

JSPO 日本スポーツ協会

わが国におけるスポーツ統括団体「JSPO(日本スポーツ協会)」の公式サイト。国民体育大会や日本スポーツマスターズの開催、スポーツ少年団の運営など。

公益財団法人日本パラスポーツ協会(JPSA)

日本パラスポーツ協会(JPSA)は、国内における三障がいすべてのスポーツ振興を統括する組織で、障がい者スポーツ大会の開催や奨励、障がい者スポーツ指導者の育成、障がい者のスポーツに関する相談や指導、普及啓発などを行っています。