
- 1. 病院勤務の理学療法士が知っておきたい“誰もやらない雑務”の実態と対策
- 1.1. 1. 雑務を「やらない人は絶対にやらない」3つの理由
- 1.1.1. 1-1. 担当や役割があいまい
- 1.1.2. 1-2. 直接的な評価につながらない
- 1.1.3. 1-3. 誰かがやってくれると思っている
- 1.2. 2. 雑務を放置するとどうなる?放置リスクを考える
- 1.2.1. 2-1. チームワークの低下
- 1.2.2. 2-2. 衛生・安全面に影響
- 1.2.3. 2-3. 患者満足度にも影響
- 1.3. 3. 「やる人ばかりが損をする」状況を改善する4つの対策
- 1.3.1. 3-1. 担当を明確化する
- 1.3.2. 3-2. 情報共有とコミュニケーションを増やす
- 1.3.3. 3-3. 小さな雑務の大切さを共有する
- 1.3.4. 3-4. 誰でもやりやすい仕組みを作る
- 2. 4. まとめ:雑務もリハビリの一環と考えてみよう
病院勤務の理学療法士が知っておきたい“誰もやらない雑務”の実態と対策
現在、病院など医療機関で勤務する理学療法士の皆さんは、日々多忙なスケジュールをこなしながら、患者さん一人ひとりに向き合っていることと思います。しかし、そんな業務の合間に必要となる「ちょっとした雑務」について、皆さんはどのように感じているでしょうか?
実は、「やる人」と「やらない人」が極端に分かれやすい雑務が病院には多く存在します。たとえば以下のようなものです。
- ペーパータオルの補充
- ウォーターサーバーのボトル交換
- 掃除、特に施設内の清掃
- 蛇口周りの水拭き
- PC・電子カルテの立ち上げ
- ゴミ袋の交換
- 各種消耗品の補充
これらは直接患者さんのリハビリや治療とは結びつかないこともあり、気づいたときにやろうとしても「誰かがやるはず」と先送りされがち。結果として、「いつも同じ人だけがやっている」「やる人が一方的に負担を感じている」という状況に陥りやすいのです。本記事では、こうした雑務が「やらない人は絶対にやらない」という現象が起こる理由と、その対策について解説します。
1. 雑務を「やらない人は絶対にやらない」3つの理由
1-1. 担当や役割があいまい
病院の多くの業務は、職種ごと・部署ごとに明確に担当が決まっています。しかし、上記のような“雑務”は誰の仕事なのか明記されていないことが多いのが実情です。
- 「ペーパータオルの補充は誰がやる?」
- 「ウォーターサーバーのボトル交換って自分の担当?」
このように役割がはっきりしないと、最終的に「気づいた人だけがやる」か、あるいは誰も気づかずに放置されるという状況に陥ります。
1-2. 直接的な評価につながらない
理学療法士としての評価は、患者さんの状態改善やリハビリ成果によって行われることが大半です。雑務を積極的にこなしても、目に見える形で評価されたり昇給につながるケースは少ないでしょう。
- 「一生懸命やっても給料が上がるわけではない」
- 「雑務よりも患者対応を優先したい」
こうした心理が働くと、どうしても雑務は後回しになってしまいます。
1-3. 誰かがやってくれると思っている
医療現場では、多職種がそれぞれの専門性を活かしてチームとして動いています。一方、「誰かがやっているはず」「自分より先輩や後輩がやっているかも」と考えると、ついつい手を出さなくなってしまいがちです。結果的に同じ人が繰り返し対応し、不満やストレスが偏ってしまうのです。
2. 雑務を放置するとどうなる?放置リスクを考える
2-1. チームワークの低下
雑務を行う人と行わない人の格差が広がると、職場の人間関係にヒビが入りかねません。誰かが負担を感じているときに、他の人が知らん顔を続けると、互いへの不信感や不満が高まる可能性があります。
2-2. 衛生・安全面に影響
病院は清潔であることが求められる現場です。
- ペーパータオルの補充がされていないと手洗い後に不便
- ゴミ袋の交換を怠ると衛生的に問題が生じる
- 蛇口周りの水滴や水アカが溜まると感染リスクの懸念も
こうしたことは、患者さんやスタッフ自身の健康面にも影響を及ぼすため、決して軽視できません。
2-3. 患者満足度にも影響
ウォーターサーバーの水が切れている、トイレのペーパータオルがないなど、患者さんが不快に感じる要素が増えると、病院全体のイメージダウンにつながります。ちょっとした気遣いが欠けただけで、信頼を損なうこともあるのです。
3. 「やる人ばかりが損をする」状況を改善する4つの対策
3-1. 担当を明確化する
「〇〇さんがペーパータオルをチェックして補充する」「清掃は誰が何曜日に担当する」といった形で、具体的に役割を割り振ることがポイントです。
- チェックリストを作り、完了したらサインをする
- シフト表に雑務も含め、曜日や時間帯で担当を割り当てる
こうすることで、“やるべき人”と“やっていること”が見える化され、放置を防げます。
3-2. 情報共有とコミュニケーションを増やす
日々の朝礼やミーティングで、雑務の進捗や担当をこまめに周知しましょう。
- 「ゴミ袋の在庫が少なくなってきたので注意してください」
- 「蛇口周りの掃除は毎日最後にチェックしましょう」
声かけを習慣化するだけでも、気づいていなかった人が行動を起こしやすくなります。
3-3. 小さな雑務の大切さを共有する
雑務の中には、感染予防や患者満足度に大きく関わるものが多く含まれています。これらの重要性を職場全体で認識するために、勉強会や院内研修で取り上げてもよいでしょう。
- 感染リスクと水回りの清潔
- 患者さんにとっての快適な環境づくり
「雑務」と呼ばれる作業も、立派な医療サービスの一部だと再認識させることが鍵です。
3-4. 誰でもやりやすい仕組みを作る
補充用のペーパータオルやゴミ袋を、分かりやすい場所にまとめて保管しておくなど、“気づいた人がすぐ行動できる”環境を整えましょう。手間がかからない状態にすれば、雑務をしやすくなります。
4. まとめ:雑務もリハビリの一環と考えてみよう
「ペーパータオルの補充なんて誰かがやればいい」──そう思うこともあるかもしれません。しかし、こうした雑務を行き届かせることは、患者さんにとっての安心・安全なリハビリ環境を整えることにつながります。また、職場全体の雰囲気を良くし、スムーズな情報共有やチームワークの向上にも寄与します。
- 役割を明確にし、ルール化する
- 雑務の重要性を周知し、衛生面や安全面の認識を高める
- 誰もが動きやすい仕組みを作る
- こまめなコミュニケーションでカバーする
こうしたステップを踏むことで、「やる人ばかりが負担を抱える」状況を大きく改善できるはずです。理学療法士の業務は多忙を極めますが、少しの意識改革やシステム化で、すべてのスタッフが働きやすい環境を作り上げられるでしょう。
関連サイト
公益財団法人日本パラスポーツ協会(JPSA)
日本パラスポーツ協会(JPSA)は、国内における三障がいすべてのスポーツ振興を統括する組織で、障がい者スポーツ大会の開催や奨励、障がい者スポーツ指導者の育成、障がい者のスポーツに関する相談や指導、普及啓発などを行っています。