もう振り回されない!理学療法士が知るべき「人を不快にさせる人」4タイプと撃退術

なぜか人を不快にさせるあの人の特徴とは?理学療法士の職場で考える対人スキルと心理的安全性

はじめに

理学療法士として働く私たちは、患者さんはもちろん、多職種スタッフとの連携や後輩指導など複雑な人間関係に向き合っています。その中で「一緒にいると疲れる」「場の空気が重くなる」と感じさせる人物がいるのも事実です。悪意があるわけではないのに周囲を不快にさせてしまう人――本記事では、その特徴と背景、そして関わり方のヒントを整理します。

1. 不快感を与える人に共通する4タイプ

① 攻撃型(コンバットタイプ)

皮肉や揚げ足取り、人前での批判が特徴。劣等感を覆い隠すために他者を下げ、自尊心を守ろうとする傾向があります。

② 自己中心型(マイワールドタイプ)

話題を独占し共感が乏しいタイプ。幼少期からのコミュニケーション経験不足が背景にあることが多く、他者の感情を想像しにくいのが難点です。

③ 被害者型(ビクティムタイプ)

常に不平不満を口にし責任を転嫁するタイプ。「自分だけ損をしている」という意識が強く、周囲の士気を低下させます。

④ 距離無視型(インベーダータイプ)

プライベート領域に土足で踏み込み、相手の都合を無視して干渉するタイプ。境界感覚が弱く、悪気はなくても嫌悪感を抱かれやすいのが特徴です。

2. 理学療法士の職場で起きやすい構図

  • 縦割りの職種間関係
    指示やフィードバックが一方通行になりやすく、摩擦の温床になります。
  • 忙殺される毎日の余裕のなさ
    人員不足やタイトなスケジュールが続くと、些細な言葉尻にも敏感になります。
  • “正しさ”をめぐる主張合戦
    手技や評価法をめぐり、エビデンスを根拠に「勝ち負け」構造が生まれやすい現場です。

3. 不快に感じる心理的メカニズム

  1. 予測不能性
    次に何が飛び出すか分からず、周囲が常に構えた状態になってストレスが蓄積します。
  2. メッセージのズレ
    冗談のつもりが侮辱と受け取られるなど、相互の解釈が食い違います。
  3. 感情の伝染(エモーショナル・コンタジオン)
    ネガティブな発言が連鎖し、チーム全体の雰囲気を悪化させます。

4. 上手な対処法――「距離感」と「記録」がカギ

対処策具体例
境界線を明確にする「その言い方は控えてほしい」と具体的に伝える
感情と事実を切り離す「○月○日のカンファで~~と言われ、□□の影響が出た」と記録
組織の支援を活用ハラスメント窓口やスーパーバイザーに相談
感情的距離を確保相手の言動=自分の価値ではないと切り離す
逆ロールモデル化「自分は同じ言動をしない」とメタ認知を高める

5. 「加害者」にならないために気をつけたいこと

  • フィードバックは“事実+影響”で伝える
    例:「あなたの発言で私は××と感じ、患者説明が遅れました」
  • 自己振り返りの習慣を持つ
    週に一度、自分の発言や態度を振り返りましょう。積み重ねが対人スキル向上に直結します。

まとめ

理学療法士の現場で“人を不快にさせる人”に遭遇したら、ただ我慢するのではなく、構造と心理メカニズムを理解し、具体的な対処策を実行することが大切です。心理的安全性が保たれれば、スタッフ間の協働がスムーズになり、最終的には患者さんのリハビリテーション効果向上にもつながります。今日からできる小さな一歩として、境界線を明示し、事実を記録し、そして自分自身も振り返る習慣を取り入れてみてください。

関連サイト

公益社団法人日本理学療法士協会 国民の皆さま向けトップ

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JSPO 日本スポーツ協会

わが国におけるスポーツ統括団体「JSPO(日本スポーツ協会)」の公式サイト。国民体育大会や日本スポーツマスターズの開催、スポーツ少年団の運営など。

公益財団法人日本パラスポーツ協会(JPSA)

日本パラスポーツ協会(JPSA)は、国内における三障がいすべてのスポーツ振興を統括する組織で、障がい者スポーツ大会の開催や奨励、障がい者スポーツ指導者の育成、障がい者のスポーツに関する相談や指導、普及啓発などを行っています。