
- 1. 「人の行動」はなぜ起きるのか?理学療法士こそ知っておきたい“行動を引き起こす5つの要因”
- 1.1. はじめに:セラピストとして“動けない自分”に心当たりはありませんか?
- 1.2. 第1章:人の行動は「5つの要因」で動かされている
- 1.3. 第2章:あなたの“やる気”はドーパミン次第?――生物学的要因
- 1.3.1. ドーパミンが“快”の行動を強化する
- 1.3.2. セラピストへの応用例
- 1.4. 第3章:自分には無理…と思う理由――心理的要因
- 1.4.1. 自己効力感を構成する4つの要素
- 1.4.2. セラピスト自身のケース
- 1.5. 第4章:同じ出来事でも行動が変わる――認知的要因
- 1.6. 第5章:環境が行動を決める――社会・環境要因
- 1.6.1. セラピスト自身の応用
- 1.7. 第6章:習慣こそ最強の武器――学習・経験要因
- 1.7.1. 習慣化のための黄金ルール
- 1.7.2. セラピスト自身への応用
- 1.8. 第7章:セラピストの成長を加速させる“行動設計”のステップ
- 1.9. 第8章:セラピスト自身の「行動力」がキャリアと人生を変える
- 2. まとめ:行動科学は“自分を最短で変える地図”である
「人の行動」はなぜ起きるのか?理学療法士こそ知っておきたい“行動を引き起こす5つの要因”
はじめに:セラピストとして“動けない自分”に心当たりはありませんか?
- 「いつか論文を読もうと思っているけど、気づけば1週間経っていた」
- 「副業に挑戦したいけど、情報収集ばかりで一歩が踏み出せない」
- 「勉強会に参加した後はやる気が出るけど、数日で元に戻る」
理学療法士として他者の“行動変容”を促す仕事をしている私たちですが、いざ自分自身の行動となると腰が重くなることがあります。これは意志が弱いからではなく、行動には構造と仕組みがあるからです。本記事では、人の行動を引き起こす主要な5要因を整理し、セラピスト自身の業務改善と自己成長に役立てる方法を紹介します。
第1章:人の行動は「5つの要因」で動かされている
要因 | 内容 | 自分の行動への影響 |
---|---|---|
① 生物学的要因 | 脳内物質・ホルモン・遺伝 | やる気・疲労感・集中力に直結 |
② 心理的要因 | モチベーション・自己効力感 | やるかやらないかを決定づける |
③ 認知的要因 | 解釈・信念・価値観 | 同じ出来事でも行動が変わる |
④ 社会・環境要因 | 周囲の人・場のデザイン | 職場環境・家庭環境が影響 |
⑤ 学習・経験要因 | 習慣・報酬・フィードバック | 続くかどうかの鍵を握る |
これらは患者だけでなく、私たち理学療法士自身の行動にも強く影響しています。
第2章:あなたの“やる気”はドーパミン次第?――生物学的要因
ドーパミンが“快”の行動を強化する
成功体験や報酬があるとドーパミンが分泌され、再現行動が強化されます。YouTubeやSNSは即時の快感があるためクセになりやすいのはこのためです。
セラピストへの応用例
資格勉強やブログ更新は達成感が遠く続けにくいので、5分勉強→チェック完了など小さな成功体験を積み重ね、ドーパミン回路を活性化させましょう。
第3章:自分には無理…と思う理由――心理的要因
自己効力感を構成する4つの要素
- 成功体験(まずは小さく始めて成功する)
- 代理経験(似た立場の人の成功を知る)
- 言語的説得(ポジティブなフィードバックを受ける)
- 生理的・感情的状態(疲労や不安が低い状態でスタート)
セラピスト自身のケース
周囲に優秀な同僚が多いと「自分には無理かも」と感じやすいものです。比べる相手を「昨日の自分」に設定し、自己効力感を高めることが行動継続の鍵となります。
第4章:同じ出来事でも行動が変わる――認知的要因
上司に「もっと勉強した方がいいよ」と言われたとき、
- 「期待されている」と捉えれば行動は前向きに
- 「否定された」と思えば落ち込み行動しなくなる
人の行動は出来事そのものではなく「どう解釈したか」で決まります。
「忙しいから勉強できない」は時間がないのではなく優先順位の問題という認知のズレかもしれません。自分の思考を「本当にそれは事実か?」と問い直す認知再構成が有効です。
第5章:環境が行動を決める――社会・環境要因
人は意思よりも環境に影響されます。ナッジ理論では「すぐ手に取れる」「すでに用意されている」ことが行動を促進すると説明します。
セラピスト自身の応用
- 勉強道具を机に広げておく
- トレーニングウェアを前夜に枕元へ置く
行動ハードルを物理的に下げれば、動き出すエネルギーは大幅に削減できます。
第6章:習慣こそ最強の武器――学習・経験要因
継続には行動→報酬→強化のループが必要です。
習慣化のための黄金ルール
- トリガー(決まった時間・場所)
- 簡単な行動(5分で終わるレベル)
- 即時の報酬(達成マーク・SNS投稿・小さなご褒美)
セラピスト自身への応用
「帰宅後すぐ5分だけ本を読む」「朝イチでストレッチ」を実践し、回数を増やすことで行動はやがて自動化されます。
第7章:セラピストの成長を加速させる“行動設計”のステップ
- 行動を明確に言語化する
- 例:「19:00に机に座ってテキスト1ページ読む」
- 行動できない構造を見直す
- 場所がない?道具が出ていない?誘惑が多い?
- 報酬を“今すぐ得られるもの”に変える
- 実行後にコーヒーを飲む
- スタンプアプリで進捗を記録する
- SNSや仲間との報告ルームを作る
第8章:セラピスト自身の「行動力」がキャリアと人生を変える
資 格取得、副業、情報発信、読書、運動、生活習慣改善――どれも行動さえ起こせば必ず現実に変化をもたらします。行動科学を理解して自分を動かす仕組みを設計することが、理学療法士としての価値を最大化する近道です。
まとめ:行動科学は“自分を最短で変える地図”である
- 行動は「意志」より「仕組み」で起きる
- 自己効力感、報酬、環境、習慣化という構造を変えれば結果も変わる
- セラピスト自身の行動設計は、自分の人生をコントロールする力になる
動けるセラピストは強い。知識より先に、まず“動く”ことが未来を作ります。行動の仕組みを理解し、今日から自分の行動を少しだけ変えてみませんか?
関連サイト
JSPO 日本スポーツ協会
わが国におけるスポーツ統括団体「JSPO(日本スポーツ協会)」の公式サイト。国民体育大会や日本スポーツマスターズの開催、スポーツ少年団の運営など。
公益財団法人日本パラスポーツ協会(JPSA)
日本パラスポーツ協会(JPSA)は、国内における三障がいすべてのスポーツ振興を統括する組織で、障がい者スポーツ大会の開催や奨励、障がい者スポーツ指導者の育成、障がい者のスポーツに関する相談や指導、普及啓発などを行っています。