【最新事例から学ぶ】理学療法士が絶対に知っておきたいSNSトラブル回避術

【理学療法士必見】SNS発信と医療現場のコンプライアンス――最新事例から学ぶ、トラブルを防ぐためのポイント

こんにちは。医療機関に勤務されている理学療法士の皆さん、日々の業務お疲れさまです。近年、医療従事者によるSNSへの投稿が問題視される事例が増えています。先日も、ある大学病院の看護師とみられる人物がX(旧ツイッター)で、患者ケアの放置や医薬品の誤用を示唆する内容を書き込んだとされ、大きく報道されました。

医療事故や不適切ケアをSNSで「隠蔽」するような投稿はもちろん言語道断ですし、万が一事実が判明すれば組織への信頼損失を招く恐れがあります。そこで本記事では、医療従事者として守るべきコンプライアンスや、SNS利用時の注意点をまとめます。特に理学療法士の皆さんにとっても他人事ではありません。実例から学び、適切なリスクマネジメントを実践していきましょう。

1.今回の事例からわかること

今回のケースでは、SNS上で「インシデント報告をしない」「薬を飲ませたフリをする」「患者の体位交換を放置する」といった投稿が行われました。さらに特定の医師の実名をほのめかす表現もあり、医療機関の内部事情が流出しているとして大きな批判を浴びています。

主な問題点

  • インシデントや医療ミスを隠蔽しようとした
  • 医師への誹謗中傷ともとれる表現
  • 不十分な患者ケア(放置、褥瘡の悪化など)

これらはすべて、医療従事者のコンプライアンスおよび職業倫理に明らかに反する行為です。仮に理学療法士が同様の投稿を行った場合も、免許停止などの重い処分に発展しかねません。

2.コンプライアンス違反がもたらすリスク

医療従事者のコンプライアンス違反は、本人だけでなく職場全体、さらには患者さんに大きな影響を与えます。具体的には以下のようなリスクが考えられます。

  1. 組織の信用失墜
    一度信頼を失えば、病院や職場全体の評判にも響きます。実際、今回の事件では病院名が推測され、多くの問い合わせが殺到しています。
  2. 法的責任の追及
    患者さんの人権侵害や医療事故の隠蔽が明らかになれば、損害賠償請求や刑事責任が問われる可能性があります。
  3. 業務上の処分
    職場からの懲戒処分、行政機関からの業務停止、免許停止などの重い処分に発展するおそれがあります。

3.理学療法士が意識すべきコンプライアンスのポイント

理学療法士はリハビリテーションの専門家として、患者さんの身体機能や生活の質向上をサポートする重要な役割を担っています。そのため、以下の点を常に意識しましょう。

  1. 患者さんの個人情報保護
    リハビリの状況は個人情報の塊です。SNSへの投稿だけでなく、職場内外での会話や資料管理にも十分注意を払う必要があります。
  2. 医療事故・インシデント報告の徹底
    小さな「ヒヤリ・ハット」でも、報告することで組織としての再発防止策が講じられます。理学療法士としての専門的観点から報告を行うことで、患者さんへの医療安全を高める重要な役割を果たします。
  3. 患者さんへの尊厳と倫理観
    理学療法士は患者さんに直接触れてケアを行う機会が多い職種です。身体だけでなく、メンタル面にも配慮する姿勢を忘れず、常に倫理観を持って接しましょう。
  4. SNSガイドラインの遵守
    多くの医療機関ではSNSやブログ利用に関するガイドラインや規定が設けられています。投稿内容が誤解を招かないか、個人情報を含まないか、投稿前に必ずチェックしましょう。

4.SNS利用時のトラブルを防ぐためのコツ

今やSNSは情報発信やコミュニケーションの手段として、多くの医療従事者が利用しています。うまく使えば自己研鑽の場にもなりますが、リスク管理は必須です。

  1. プライベートと業務を切り分ける
    仕事用アカウントとプライベートアカウントを分けるだけでなく、SNSに書く内容も厳選しましょう。業務内容に触れる際は十分な配慮が必要です。
  2. ネガティブな発信は要注意
    過酷な勤務状況や職場への不満をインターネット上で発信することで、知らず知らずのうちに職場名や患者さんに関する情報が漏れてしまうことがあります。疲れているときこそ投稿に気をつけましょう。
  3. 第三者目線の確認
    投稿前に「同僚や上司、あるいは患者さんが見たらどう感じるか」を客観的に考えてみると、不適切な表現を未然に防ぎやすくなります。

5.万が一不適切な投稿があったらどうすべきか

もし身近で不適切な投稿を見つけたり、自分自身が誤った情報を投稿してしまった場合には、下記の手順を検討してください。

  1. 投稿の削除や訂正
    誤った情報や不適切な表現は速やかに削除・訂正します。
  2. 上司や専門部署に相談
    投稿内容によっては広報やコンプライアンス担当に報告し、指示を仰ぐ必要があります。
  3. 再発防止策の検討
    同じトラブルが起こらないよう、ガイドラインや研修で学んだ内容を改めて確認し実践します。

まとめ

医療従事者としてのコンプライアンス違反は、患者さんの信頼を失うだけでなく、自分自身や職場の将来をも危うくする大きな問題に発展します。今回の報道事例は看護師によるSNS投稿が注目されましたが、これは医療の現場で働くすべての職種――理学療法士にとっても決して他人事ではありません。

  • 報告すべきことはきちんと報告する
  • 患者さんを第一に考え、倫理観を徹底する
  • SNS利用時は常に個人情報と表現に配慮する

これらを守ることで、安心・安全なリハビリテーション環境を維持し、患者さんにより良い医療サービスを提供できるはずです。ぜひ、職場のガイドラインや研修を通じて、コンプライアンスとSNSリスクへの理解をさらに深めていただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。日々の業務が大変な中だからこそ、情報発信には細心の注意を払い、理学療法士としての専門性と倫理観を活かしていきましょう。

関連サイト

公益社団法人日本理学療法士協会 国民の皆さま向けトップ

公益社団法人 日本理学療法士協会の公式サイトです。協会に関する様々な情報をご紹介します。

JSPO 日本スポーツ協会

わが国におけるスポーツ統括団体「JSPO(日本スポーツ協会)」の公式サイト。国民体育大会や日本スポーツマスターズの開催、スポーツ少年団の運営など。

公益財団法人日本パラスポーツ協会(JPSA)

日本パラスポーツ協会(JPSA)は、国内における三障がいすべてのスポーツ振興を統括する組織で、障がい者スポーツ大会の開催や奨励、障がい者スポーツ指導者の育成、障がい者のスポーツに関する相談や指導、普及啓発などを行っています。