
はじめに
理学療法士(PT)を目指して勉強中の皆さん、こんにちは。私は外来整形外科クリニックで理学療法士として働いています。先日、担当している患者さんから「担当の理学療法士があなたで良かった」と言われたとき、本当に心から嬉しく、やりがいを感じました。
この記事では、その経験から得た理学療法士としての喜びや、実際に患者さんと接するときに大切にしているポイントをお伝えします。理学療法士を目指す学生さんが今後のキャリアをイメージしやすくなるよう、できるだけ具体的にまとめました。ぜひ最後まで読んでみてください。
患者さんからの「あなたで良かった」の重み
患者さんが私に対して「あなたで良かった」と言ってくださった理由は、リハビリの過程で生まれる信頼関係や安心感があったからだと考えています。理学療法士の仕事は、痛みや不自由さを抱える患者さんの気持ちに寄り添い、身体機能の回復をサポートすること。リハビリの中で患者さん自身が「できることが増えた」「痛みが和らいだ」と実感していく瞬間を、一番近くで見守ることができるのが理学療法士の魅力です。
信頼関係の醸成
- 傾聴:患者さんの悩みや症状をじっくり聞くことで、不安やストレスを軽減するお手伝いができます。
- コミュニケーション:専門用語を使いすぎず、分かりやすい言葉で説明することが大切です。
- 共感:痛みや不自由さは本人にしかわからない部分も多いですが、「分かろうとする姿勢」を示すだけでも患者さんは心を開いてくれます。
理学療法士のやりがい
「あなたで良かった」という一言をもらえたとき、どんな思いが湧き上がるのでしょうか。私が日々感じているやりがいを大きく2つに分けて紹介します。
- 回復の瞬間を共有できる喜び
長期入院やリハビリ期間が続く患者さんも多く、「少しずつ改善している」と感じられる瞬間を共有できるのは、理学療法士の醍醐味です。その成長過程に寄り添い、患者さんと喜びを分かち合えることは、何にも代えがたい経験となります。 - 人の人生に深く関わることができる
リハビリを通して「日常生活動作の向上」や「生活の質(QOL)の向上)」を目指すことで、患者さんの人生そのものをサポートしていると実感できます。患者さんが笑顔を取り戻したり、「また趣味を再開できた」と報告してくださると、「理学療法士になって良かった」と心から思えます。
理学療法士を目指す学生へのアドバイス
1. 広い視野を持って学ぶ
理学療法士の仕事は、単に筋力トレーニングや関節可動域の改善だけではありません。心理面のサポートも必要であり、患者さんの背景やライフスタイルへの理解も欠かせません。解剖学や運動学などの基礎知識はもちろん、心理学やコミュニケーションスキルなども幅広く学んでおくと、将来必ず活きてきます。
2. 現場実習を最大限活用する
学生の実習期間は、実際の患者さんと関わりながら学べる大切なチャンスです。
- 観察力を磨く:指導者がどのように患者さんとコミュニケーションをとっているか注目しましょう。
- 積極的に質問する:疑問点はそのままにしない。必ず指導者や先輩PTに尋ね、学びを深める姿勢が大切です。
- フィードバックを受け止める:厳しいアドバイスも将来の糧になります。ポジティブに捉えて次に生かしましょう。
3. チーム医療における役割を理解する
理学療法士は、医師や看護師、作業療法士など多職種と連携する場面が多くあります。それぞれの専門分野を尊重しながら、患者さんのためにベストを尽くすのがチーム医療です。チームの一員として、自分の得意分野を活かしつつ足りない部分は他職種に協力を仰ぐという姿勢を身につけましょう。
学生時代から意識したいキャリアプラン
理学療法士は多様な現場で活躍できる職業です。整形外科の外来クリニックだけでなく、病院のリハビリテーション科、スポーツチーム、介護施設、在宅医療など活躍の幅は広がっています。将来どんなフィールドで働きたいかイメージしながら、学生時代から専門性を高める学習や資格取得を意識していきましょう。
まとめ
患者さんから「担当があなたで良かった」と言っていただけるのは、理学療法士にとって最高のほめ言葉です。日々のリハビリでは、患者さんの体だけでなく心の支えにもなる必要があります。そのために幅広い知識と技術を磨き、コミュニケーション力を高める努力を継続していきましょう。
皆さんもぜひ、理学療法士という仕事の持つ大きな魅力とやりがいを感じながら学びを深めてください。勉強の中で大変なことも多いかもしれませんが、“人の役に立つ喜び”は理学療法士ならではの特別な体験です。将来、患者さんから「あなたで良かった」と言ってもらえるよう、一歩ずつ成長していきましょう。
関連サイト
JSPO 日本スポーツ協会
わが国におけるスポーツ統括団体「JSPO(日本スポーツ協会)」の公式サイト。国民体育大会や日本スポーツマスターズの開催、スポーツ少年団の運営など。
公益財団法人日本パラスポーツ協会(JPSA)
日本パラスポーツ協会(JPSA)は、国内における三障がいすべてのスポーツ振興を統括する組織で、障がい者スポーツ大会の開催や奨励、障がい者スポーツ指導者の育成、障がい者のスポーツに関する相談や指導、普及啓発などを行っています。