リハビリ業界の危機!診療報酬・介護報酬同時改定で何が変わる?

理学療法士・作業療法士の議員立候補、落選の結果を受けて

今回の選挙で、リハビリ業界を代表して立候補した理学療法士・作業療法士の方々が残念ながら全員落選しました。まずは、過酷な選挙戦を戦い抜き、業界の未来のために尽力された先生方に心から感謝申し上げます。

私自身も応援し、1票を投じましたが、今回の結果には非常に落胆しています。開票日は一晩中テレビ中継を見ながら、良い結果を待ち望んでいました。

選挙活動には莫大な資金と時間、そして心身の負担が伴います。候補者の方々は、まさにその過酷さと闘いながらも、業界を代表して活動を続けてくれました。

なぜ落選してしまったのか?

理学療法士や作業療法士のような専門職が、選挙で当選できる母集団は十分にあると考えられていました。それにもかかわらず、結果は僅差での落選。これは、我々理学療法士が直面している現実を突きつけられた瞬間でした。

結果として、国会にはリハビリテーション専門職の代表が不在となり、今後の診療報酬・介護報酬の改定において、業界の意見を直接反映させることが難しくなるでしょう。

2024年の診療報酬・介護報酬同時改定への影響

直近の大きな懸念は、2024年の診療報酬・介護報酬の同時改定です。リハビリテーション分野においては、以下のような改定が予測されています。

  • 疾患別リハビリテーション料の廃止
  • 訪問看護ステーションの看護師配置割合の制限
  • 訪問リハビリテーションの対象者を要介護3以上に限定

これらの改定が実施されれば、数万人の患者が必要なリハビリサービスを受けられなくなり、5千人以上の理学療法士が職を失う可能性があります。

理学療法士の世間での認知度は

今回の選挙を通じて感じたのは、世間における理学療法士の認知度が思っていた以上に低いという現実です。私もアスレティックトレーナーとして院外で活動を行っていますが、よく言われるのが、「理学療法士って何?」という言葉です。

理学療法士や作業療法士は、どうしても院内に閉じこもりがちで、外部との接点が少ないため、世間からの認知が非常に低いのが現状です。

理学療法士の政治的関心の必要性

医療財源の分配において、医師会や看護協会が強い影響力を持っていますが、理学療法士や作業療法士の集団は、母集団が大きいにもかかわらず、選挙ではその力を発揮できていません。特に、若い世代の投票率が低いことが指摘されています。

医学生や看護学生が自分たちの職域を守るために政治への関心を高め、選挙に参加しているのに対して、リハビリ系の養成校ではこのような教育がほとんど行われていないのが現状です。

今後、理学療法士はどうすべきか?

今回の落選結果を受け、業界の未来に不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、医療や介護分野で働く理学療法士に関しては、生活水準が急激に変わることは考えにくいです。報酬が減算される可能性はありますが、個人の給与が大幅に削減されるとは限りません。

しかし、将来的に報酬が増える見込みも少なく、業界のリストラの可能性は依然として存在しています。業界全体が厳しい状況に置かれる中で、理学療法士として何ができるのか、今一度考える必要があるでしょう。

これからは、政治的な関心を高め、業界の声をより強く反映させるために行動することが、理学療法士に求められています。

まとめ

今回の選挙結果は非常に残念ではありますが、これを契機に理学療法士が自らの存在意義を再認識し、外部への発信力を強化していくべき時期だと言えるでしょう。政治に対する関心を持ち、業界の将来を共に守っていくために、今こそ行動が必要です。